Reference

学部初級レベルの読書案内です.ここで紹介した本の内容が理解できるようになると,少しずつ経済学が面白く感じられるようになってくると思います.
労働経済学
労働経済学で学ぶ内容を大づかみに知るには以下の書籍が便利です.

1.労働経済学入門(太田聰一,橘木俊詔)
太田先生が執筆に参加された本です.入門レベルの労働経済学を,実証データを交えつつ平易に解説しています.

2.労働経済学入門―新しい働き方の実現を目指して(脇坂明)
上の1以外の入門書のなかで太田先生が購読を推薦している本です.とはいえ両者に特に大きな差は見受けられませんのでお好きな方をどうぞ.

3.若年者就業の経済学(太田聰一)
太田先生の著書のなかで最も有名な本です.日本の若年雇用を考える上でのヒントが散りばめまれています.著者は違いますが,類書に「高齢者就業の経済学」というものもあります.
マクロ経済学
経済全体を俯瞰する上で,経験則的に用いられるのが学部1,2年生で学ぶマクロ経済学の内容です.労働経済学でも,基本的な財政・金融政策の知識がないとつまづく危険性があります.

4.入門マクロ経済学(中谷巌)
マクロ経済学の鉄板入門テキストです.資格試験などにも幅広く用いられています.

5.NLASマクロ経済学(斎藤誠,太田聰一ほか)
太田先生が執筆に参加されたマクロ経済学の入門〜中級テキストです.大学院で学ぶ内容との接続を特に意識して書かれています.
ミクロ経済学
労働経済学は,カテゴリとして「応用ミクロ経済学」として扱われることがあります.基本的なミクロの知識がないと,労働経済学においてベースとされる根本的な理論が全く頭に入りません.

6.ミクロ経済学(奥野正寛)
現代ミクロ経済学の標準テキストです.類書と違って価格理論にそれほど重きを置いていません.質量とも自信をもって推薦できる入門書です.

7.ミクロ経済学演習(奥野正寛)
上の6の演習書です.特にミクロ経済学は演習による筋力トレーニングが欠かせませんが,本書は重要な事項のみ厳選してあるので,6と併用して効率よく勉強できます.
統計学・計量経済学
労働経済学において実証分析は欠かすことのできない作業です.日吉ではぜひ秋山先生の計量経済学概論の受講をおすすめします.

8.道具としての統計解析(一石賢)
統計の基礎をくだけた表現で分かりやすく解説しています.この本に限らず,「道具としての〜」シリーズは基礎力を養うのに最適な入門書として定評があります.

9.Rによる計量経済学(秋山裕)
日吉の秋山先生の計量経済学概論でテキストとして用いられる本です.フリーの統計ソフトRを用いて簡単な時系列分析を行います.春学期で学ぶ程度の基本的な統計の知識があればすらすら読みこなせます.