2013/10/23

10/23 本ゼミ

秋学期スタート以来、本ゼミでは基本的に、
三田祭論文コンテストに向けた研究の内容を中心としたゼミ活動を行っています。

具体的には、
各グループが研究内容とその進捗を、
プレゼンテーションを通じてゼミ全体に共有し、
それを聴いた他のゼミ員が、
・説明不足な部分
・論理構成の穴、矛盾
・必要な視点の欠如
を指摘し合うという形で進めています。


時間の制約もあるため今後は、
これまでの研究内容を収束させ、筋道を明確化し、
論文という形に落とし込むことに力を入れます。

次週の本ゼミでは、
一通り完成させた論文の評価、再検討を行う予定です。

2013/10/05

第二回入ゼミ説明会




第二回入ゼミ説明会は本日、三田キャンパスにて午後から行われます。
個別ブースの設置教室は111教室にございます。
前回と場所が異なりますのでお気をつけ下さい
ゼミ生一同皆様を心待ちにしております

 

以下、104日に日吉にて行われた日本生命保険相互会社寄附講座 「経済学で考える人生設計:勉強・家庭・キャリアの選択」に出席された二年生に向けた、外ゼミ代表によるメッセージになります。長文ですが、ゼミでの活動の参考までによろしければご一読ください。

※あくまで個人的な見解になります

 

さて、昨日の寄付講座に出席され、太田ゼミに興味を持って頂いた方もいるのではないでしょうか?実は私は履修していないのですが、ゼミの担当教員が授業を行うという事で好奇心が湧いてこっそり授業に忍び込んでいました笑

 

「あれ?ゼミ生なのに担当教員の授業って珍しいの?」って鋭い方は思われたかもしれません。そうなんです、太田ゼミはかなり珍しいゼミで、教授は一切講義を行わず学生が主体となって授業を行うため、教授から示唆や助言を頂く事はあってもまとまったレクチャーを受けた事がないんです(希望すれば講義形式にする事もできます)

寄付講座は内容そのものはゼミでやっている事と似ていますが、ゼミではあえて教授と学生の立場を逆にしています。ゼミ生が登壇者として毎週授業を0から設計し、太田聰一教授や他のゼミ生へプレゼンテーション等を行っています。沖永賞、エコノミスト賞を受賞され、労働経済学の重鎮と呼ぶにふさわしい太田教授はもちろんのこと、日本経済学会で発表を行ったゼミ生も4年には在籍していますので、毎週担当者はプレッシャーにもまれながら内容を詰めていきます

 

ともあれ天才肌の太田教授、久しぶりの授業に緊張していましたね笑

あれだけ実績のある方でも講義って本当に難しいんだなーと思いました。私もゼミで発表側に回ると、いかに教える事が難しいかを痛感します

 

ところで皆さんは講座の内容についてどう思われましたか?キャリア設計という題目で皆さんの人生にも大きく示唆を含む内容だったと推察しますが、人それぞれ納得出来る部分と納得できない部分があったと思います。キャリアに画一的なモデルも正解も無いので、その感は一層強いのではないでしょうか?

 

私は現在就職活動を行っているので、納得できない側面の方が今日は多かったと感じています。経済学で考えるという題目の設定上、大枠で抽象的な視点に議論が傾倒しがちなのですが(これは経済学者に共通する傾向です)、私達一人一人のキャリア「設計」を考える際にマクロだけではなくミクロな側面、加えて戦略的・交渉的な(相手ありきの)コミュニケーションの要素も重要になってきます

 

ニートが何であるか、という現状分析や定義ももちろん大事なのですが、おそらく多くの聴衆が聞きたかったのはその裏にある「ニート・フリーターというケースから示唆される、自分達一人一人のキャリアの優位性を守るための手法」なのではないでしょうか?どうすれば「攻める」キャリアを作れるのでしょうか。グローバル化が進むと所得格差(=チャンスの格差)が広がるという原理がありますし、現状では日系企業の多くは組織をグローバル化するか否かという課題に直面しています。そういう中で何が私達のキャリアの主体性を保障するのでしょうか?

 

代わりのいない尖った人材になる事ではないでしょうか?いわゆるレアカード。それが頭の良さや偏差値ではない「優秀さ」の土台だと私は考えています。したがって投資財としての新卒者という今回の授業のキーメッセージには、上記の考えや終身雇用の崩壊という事実から私は半分しか納得しませんでした。育てやすい人材はある程度求めていても、平均的すぎる人材は機械で代用される。個性を殺す事を強要する世の風潮こそが現代ニートを生み出しているという自分なりの仮説です

 

理論には慣性と時差がつきものです。投資財理論は高度経済成長期みたいに、ベルトコンベア式に教育機関と企業が協同して人材を配給する世相(おおげさに言えば国家プロジェクト)では説明がつきますが、国家、企業、人材、教育機関等が同じベクトルをなしていない現代ではミクロ的なレアカードの捉え方の方が私にはしっくりきます。新卒でも中途でも同じです

 

ところが思い切ってレアカードの仮説を認めても、全員が生まれたときからレアカードなわけではありません。したがって普通のカードでもレアカードに見せなければいけない。だからいわゆるセルフマーケティングや営業力のある(教養と言う人もいます)人材にチャンスが集中する。すごい実績がなくても、自分自身をうまく企業に売り込める人が強い。これがキャリアの戦略的な側面です

 

具体的にこのレアカードに見せる手法ですが、実績や人脈(strength of weak tiesも新興経済学の研究分野です)を作る事もそうですが、小賢しさも必要です。就職活動でも競争的な企業の選考に勝ち残るのは、学生時代に起業していたとか世界一周をしたとかいう学生だけではなく、そういった能力を持っている人が多いです。労働経済の理論や統計上の数字からは見えませんし、本当に些細な事ですが、何も実績や結果だけではなく夢やビジョンを持つ事も自分と相手の魅力を差別化するカードです。そしてその潜在的な積み重ねが、キャリアの差をマクロ的に生んでいる

だったらせめて冷めた学生にはなってはならない。ビジョンは持とう。そういう気づきを講座から得ました

 

ダラダラと冗長な私見を並べて申し訳ありませんでした。しかし私達のゼミではこういった議論を各自がゼミに持ち込んでぶつけ合う、という魅力をお伝えできればいいなと思いこの場をお借りしました

自分達の意見に自信を持ち議論を積極的に行いたいと考えている皆様は、太田ゼミへの入会を是非検討してみてください。より多くの方が太田ゼミに興味を持ち、説明会・選考に参加して頂ければ幸いです。ご縁があれば是非一緒に勉強しましょう!