2013/07/11

7/10本ゼミ

7月10日、今学期の最終ゼミが行われました。
内容は先週と同じく、4限にディベート、5限に輪読を行いました。



 ディベートでは、「日本型年棒制の導入」を賛成反対に分かれ、議論の対決をしました。
賛成反対どちらの主張も簡単に崩せないものが多く、
年棒制のメリット、デメリット両方を見直すきっかけとなりました。

・一年という比較的長い期間で給料を決定する
・成果が賃金決定に反映される
という年棒制の二つの性質を正確に整理して理解することが、議論のポイントになっていました。



 輪読では、三年の槙村、山口、前田が以下の論文を持ち寄り、プレゼンテーションを行いました。

「日本の労働市場の変貌と地域経済-労働と地域の地理学-」(富樫幸一、2002)

地域と労働という、別々の分野で扱われがちな二つの主題を、
まとめて取り扱うことの意義が主張された論文となっています。
プレゼンテーションではこのテーマに関連し、
地域の雇用の受け皿としてNPO法人に焦点を当てました。
NPO法人の、地域密着性や高齢者などが活躍しやすいという性質を根拠として挙げています。
一方太田先生からは、
地域の雇用を見直す上で、若年層の都市への流出を防ぐ手段を
見つけ出すことの方が重要性が高いとの指摘がされました。



今学期の授業としてのゼミは今回で終了となりますが、
夏期休業中には、同志社大学橘木ゼミとのインゼミやゼミ内勉強合宿も予定しております。
また、三田祭論文に向けてグループ毎に集まり、研究を進めていきます。

2013/07/04

7/3本ゼミ

7月3日のゼミでは、
4限にディベート、5限に三年生による輪読を行いました。

輪読では、椿、土井、及木がプレゼンテーション通して以下の論文を要約し、議論の発展を試みました。

数学学習と大学教育・所得・昇進」(浦坂、西村、平田、八木、2002)

数学学習が個人の仕事や学業のパフォーマンスに影響をもたらす可能性があることを、経済学部出身者のうち数学受験した人、してない人のデータを利用した実証分析により明らかにしています。
しかしこの研究においては、数学受験を選択する人たちが、もともと備えている素質の影響は排除しきれていませんでした。
また、この論文では数学学習が親の学歴の影響を相殺することから、「階層相続」を避ける手段になるという主張もなされています。
この点に関して太田先生からは、
「親の属性が子に与える影響として、IQなどの遺伝的な要因は無視できない。もし、数学受験を選択することに、先天的な知能の影響が働いているとすれば、数学受験の有無が親から受ける影響の効果を吸収したために、親の学歴の影響が解消されたように見えたにすぎないかもしれない。」
との指摘がありました。


ディベートでは、「採用試験で企業が学歴を問うことに賛成か、反対か」というテーマで、
4つのグループに分かれトーナメント形式で対戦しました。
論理性や主張を分かりやすく正確に伝える力、根気など
あらゆる能力がディエートでは試されることをゼミ員一同実感しました。
また、初めてのディベートということで改善点も多く見つかり、
公平かつ勝敗の決めやすいゲーム設計の必要性を感じました。
ディベートは今後も続けていく予定です。